11.定理と定義

「定理」とは,「証明済みの事柄のうち,今後は証明なしで使ってもいい」とされているもの。ひんぱんに使われる図形の性質とかを毎回毎回証明してたら,めんどくさいからね。


例えば,お弁当にカニクリームコロッケを持っていくとする。カニの身をすりつぶして衣を着けて揚げるのが,「カニクリームコロッケ本来の姿」。でも,そんな面倒なことやってられないから,チンするだけの冷凍食品で済ませる。

一方,ある証明の中で,「二等辺三角形の底角は等しい」という性質を使うとする。これ自体,本当は証明によって導かれるもの。でも,そんな面倒なことやってられないから,証明なしで済ませる。

・お弁当に「カニクリームコロッケ」を持っていく = 証明に,「二等辺三角形の底角は等しい」という性質を使う

・カニクリームコロッケをマトモに作ったら,面倒 = 「二等辺三角形の底角は等しい」をマトモに証明してから使ったら,面倒

・楽して,冷凍食品を使う = 楽して,性質の証明を省く

これが「定理」なんだ。



まとめるよ。

★定義★・・・ことばの意味をはっきりと述べたもの。,「○○○なものを△△と言う」と決めたとき,「○○○なもの」の部分が,△△の「定義」。

★定理★・・・証明済みの事柄のうち,よく使われる基本的なものは,「証明なしで使ってもいい」とされるもの。


言葉は似ているが,内容は全く違う。「定理」と「定義」は「たばこ」と「タラコ」くらい違うのだ!


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